【さ】 | |||
【酒林】さかばやし | |||
【類義語】 | 杉玉 | 【対義語】 | |
杉の葉を丸くカットしたもので見た目はスズメバチの蜂の巣。別名杉玉(すぎだま)。もともとは、新酒が出来ましたよーと酒蔵が周辺の人にお知らせする為に毎年軒先に吊るしていたもの。 その由来は、酒の神様が祭られている奈良の大神神社の御神木が杉だった事による。最近では、地酒専門店がディスプレイ用に店頭に飾る事も多い。(当店にもあります) |
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【酒粕】さけかす | |||
【類義語】 | 板粕 | 【対義語】 | 液化仕込み |
もろみを搾ると、液体のお酒と半固形物(溶け切らなかった原料米)に分かれる。この固形物を酒粕と言う。ゆるく搾ると水分を含んでしっとりと、硬く搾るとカチカチの酒粕になる。固く搾るとたくさんお酒は採れるが味が濁ってしまうので、良心的な蔵元ほど敢えてゆるく搾る。そのため酒粕がしっとりとしている蔵元のお酒は美味い。 カスというと聞こえは悪いが、食物繊維を多く含み、ビタミンEが豊富、粕漬け、粕汁など美味しい料理が出来るなど良い事尽くめ。ただし、大手メーカーの液化仕込み(酒粕は出来ません!)や、酒の消費量が落ちた事により酒粕生産量の減少で、近年価格がどんどん高くなっている。 |
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【三増酒】さんぞうしゅ | |||
【類義語】 | アルコール添加 パック酒 糖類 リンゴ酸 | 【対義語】 | 純米酒 特定名称酒 |
本醸造、吟醸などの酒質向上目的と違い、増量の為に醸造用アルコールを大量に加えて造られたお酒。もとのお酒の量に比べ3倍に増やせるのでこの名がついた。正式には三倍増醸造酒。戦時中の米不足の時の苦肉の策として国が認めた上で生まれたが、コストが安く抑えられ、蔵元が儲かるので、戦後も一般化した。 三増にするとお酒の味がしないので、糖類(水あめ)や調味料(酸味料)を加えて味付けする。主にパック酒に多く、チェーンの居酒屋や、料飲店などの飲み放題プランなどで使われているのも大抵コレ。商品の原材料欄に糖類・酸味料と併記されていればまず間違いないので、どうしても買いたくない人はココを見るべし。(笑)日本酒は不味いものという意識を若い人に植え付けた責任は大きい。 |
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【三段仕込み】さんだんじこみ | |||
【類義語】 | 段仕込み 四段仕込み 踊り | 【対義語】 | 液化仕込み 融米造り |
お酒に搾るもろみを3段階に分けて仕込む事。仕込みタンクに、別工程で造った酒母(もと)を入れ、さらに麹・蒸し米・水を1セットとして、都合3回に分けて増量し醗酵させる。 1回目を初添え、2回目を仲添え、3回目を留め添えと呼ぶ。1回目と2回目は1日間隔を空けるが、これを踊りと呼ぶ。 |
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【酸度】さんど | |||
【類義語】 | 日本酒度 アミノ酸度 | 【対義語】 | |
日本酒の味を数字的に表す尺度のひとつで、酒の酸味を示す。酸度は単に酸味だけでなく、淡麗さ、スッキリ感にも関係してくるので以外と侮れない。ちなみに淡麗辛口で人気の久保田千寿の酸度は1.3、同じ久保田でもどっしりタイプの碧寿は1.7、ねっ違うでしょ。 | |||
【し】 | |||
【地酒ブーム】じざけぶーむ | |||
【類義語】 | 【対義語】 | フルーティー | |
80年代後半頃から始まった大手メーカー以外の地方の日本酒のブーム。特に新潟酒の功績が大きい。だだしこの頃は、日本酒の中でも特に吟醸酒を中心に盛り上がり、また、お酒の鑑評会でも特に香りの高い酒が入賞する傾向になった為、各蔵こぞって吟醸酒を仕込んだ結果、巷には香りの高いお酒が続出した。 | |||
【雫酒】しずくざけ | |||
【類義語】 | 【対義語】 | ||
日本酒の搾り方で最も手間暇&時間がかかる搾り方。醗酵したもろみを20×70cm位の袋に入れて吊るし、自然の重みで下部から滴り落ちてくるお酒だけを集めたもの。主に大吟醸クラスで用いる事が多く、だから当然値段も高い。(笑) 搾り始めは「荒走り」、搾りの中間を「中垂れ」という。荒走りは酒質が荒く、また搾りの最後の方はは酒質がにごるので、雫酒は通常この中垂れを使う。雫酒として使わなかったお酒は製品化する場合もあるが、普通は他の酒のブレンド用などにする。 |
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【下呑み】したのみ | |||
【類義語】 | 呑み口 上呑み | 【対義語】 | |
貯蔵タンクの下部に上下2つある呑み口の下の方。 | |||
【仕舞仕事】しまいしごと | |||
【類義語】 | 製麹 | 【対義語】 | |
麹造りの全工程の6番目の作業。麹室(こうじむろ)と呼ばれる麹造りの作業室で行う。仲仕事後、6〜7時経ち温度が上がった米を1〜2℃下げるために撹拌する事。米に含まれる水分を完全と無くす事を目的とする。あとは麹の完成を待つのみなので、コレでお終い、だから仕舞仕事。(笑) ちなみに麹造りの全工程は、引き込み→床もみ→切り返し→盛り→仲仕事→仕舞仕事→出麹となる。 |
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【酒母】しゅぼ | |||
【類義語】 | もと | 【対義語】 | |
お酒の成分であるエチルアルコールは、酵母と言う微生物の働きによって出来るが、その酵母を純粋培養したものをいう。酒母には2通りあり、蒸し米、麹、酵母、水を加えた後、乳酸を添加する速醸系酒母と、蒸し米、麹、酵母、水を加えた後、自然による乳酸菌を生成させる生もと系酒母、がある。 後者は非常に手間がかかるため、現在市販されているお酒は大半が速醸系酒母によるものである。 |
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【純米吟醸酒】じゅんまいぎんじょうしゅ | |||
【類義語】 | 吟醸酒 大吟醸酒 純米大吟醸酒 | 【対義語】 | |
アルコール添加をしないで吟醸造りを行うと純米吟醸酒となる。吟醸酒の華やかな香りと純米酒の持つコクを併せ持つ。日本酒を初めて飲む人にはこの純米吟醸酒か大吟醸酒がおすすめ。(高いけど、美味くて飲みやすいからねー) 価格は1.8Lで大抵4000円以上する。冷やが最も美味いと思うが、ぬる燗で美味いものもある。精米歩合60%以下の白米、米麹、水を原料とした清酒で、香味及び色沢が良好なもの、とされる特定名称酒。 |
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【純米酒】じゅんまいしゅ | |||
【類義語】 | 特別純米酒 | 【対義語】 | アルコール添加 米だけの酒 |
文字通り、米、米麹、水だけから出来ているのが純米酒。価格は1.8Lで2000〜2500円程度のものが多い。製法が持つ特性上、本醸造系や吟醸系などのアルコール添加酒に比べ、酸度が高く、しっかりとした味のものが多い。 飲み頃温度は冷や、常温が一般的だが、ぬる燗でも美味いものが多い。酒税法上では、精米歩合70%以下の白米、米麹、醸造アルコール、水を原料とした清酒で、香味及び色沢が良好なもの、とされる特定名称酒。 |
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【純米大吟醸】じゅんまいだいぎんじょう | |||
【類義語】 | 吟醸酒 大吟醸酒 純米吟醸酒 | 【対義語】 | |
とにかく日本酒の造りで最高峰とされ、杜氏が持てる力の全てを注ぎこんだとっても贅沢な酒。その素晴らしい味に思わず言葉を失ってしまうものも多く、価格も10000円のものもザラ。(だから7800円の久保田萬寿とかって、それと比べるとリーズナブルなんだよなー) 温度は冷やが良いとされるが、香りが穏やかなものはぬる燗でも結構いける。主に贈答用に使われ、毎年暮れの歳暮に購入するが自分では飲んだ事がない(笑)、という人が多いのもこの酒の特徴。(当店でも結構います)酒税法上では、精米歩合50%以下の白米、米麹、水を原料とした清酒で、香味及び色沢が良好なもの、とされる特定名称酒。でも各蔵元が意地を張るので(笑)、精米歩合は40%以下のも多い。 |
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【上槽】じょうそう | |||
【類義語】 | 【対義語】 | ||
もろみを液体の酒と固体の酒粕にわけるために搾る作業であげふねとも言う。上槽の方法は、@連続搾り機による機械搾り、Aもろみを酒袋と呼ばれる袋に入れた後フネと呼ばれる型に敷き詰め、酒袋の自重で自然に搾る方法、Bもろみの入った酒袋を吊るし、搾る方法(雫酒)の3通りがある。 特にABは搾るのに非常に時間がかかる贅沢な方法で、高額酒(吟醸系)に用いられる。 |
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【醸造用アルコール】じょうぞうようあるこーる | |||
【類義語】 | アルコール添加 | 【対義語】 | 純米酒 |
デンプン物質や含糖物質(サトウキビなんかが有名)から醸造されたアルコール。醪(もろみ)に添加する目的で使われる。その効果については、「アルコール添加」を見て下さい。 世の中では、醸造用アルコールについて“正”の面以上に“負”の面がクローズアップされてしまう傾向が強い為、各蔵元さんもあまり話したがらないのが現実…。 |
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【新酒】しんしゅ | |||
【類義語】 | 【対義語】 | 冷や卸し | |
その年に造った酒、またはその年にとれた新米で造った酒。まだ熟成が進んでいないため、多少荒々しさがある。通年販売の銘柄の場合は、ある程度味が落ち着いてからの出荷となるので、新酒は季節限定銘柄である場合が多い。 新酒=生酒と思っている人も多いが、実際は火入れをする場合が多いので、必ずしもそうではない。 |
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【す】 | |||
【水道水】すいどうすい | |||
【類義語】 | 【対義語】 | 井戸 地下水 涌き水 | |
井戸を持つ蔵元は、用具やビンの洗浄用に使うが、所有する井戸の水が枯渇したり、地理的条件だったり、製造量が極端に多かったり、といった蔵元では仕込み水として使う場合も結構ある。 もちろん、酒造りに適しているか水質調査はきっちり行った上での話だが…。ただイメージ的にあまりよろしくないせいか(笑)、隠したいみたい…。 |
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【杉玉】すぎだま | |||
【類義語】 | 酒林 | 【対義語】 | |
見た目蜂の巣のような杉の葉を丸くカットしたもの。別名酒林(さかばやし)。どっちが正式名称か定かでないが、私個人的には、杉玉という呼び方はあまりにも見た目のままなので好みじゃなく、酒林を好んで使う。だから、詳しい説明は酒林の所を見て下さい。(笑) | |||
【せ】 | |||
【製麹】せいきく | |||
【類義語】 | 麹 | 【対義語】 | |
蒸した米を麹米にする作業の総称。最近は自動製麹機という機械による麹造りが多くなったが、小さな蔵や、ある程度大きな蔵でも吟醸系の酒は、昔ながらのやり方でやる場合が多い。 手造りの場合、作業工程は大きく分けて7段階あり(@引き込み、A床もみ、B切り返し、C盛り、D仲仕事、E仕舞仕事、F出麹)、とってもとっても大変な作業。実際やった事がある私が言うんだから間違いない。(笑)ちなみに、床もみから出麹完成までの時間は48〜50時間もかかる。 |
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【雪中貯蔵】せっちゅうちょぞう | |||
【類義語】 | 根雪 | 【対義語】 | |
雪国で生まれた日本酒の独特の熟成方法のひとつ。冬の終わりにカマクラのでっかいものを作り、その中にビン詰めしたお酒を入れて、初夏頃に味が丸みを帯びて柔らかくなる。このカマクラ、温度がほぼ0℃、湿度がほぼ100%、おまけに温度や湿度が初夏までほぼ一定と、熟成保存には最適な環境だそうな…。(笑)雪国の知恵ってやつと言える。 | |||
【千秋楽】せんしゅうらく | |||
【類義語】 | 越州 | kakko【対義語】 | |
朝日酒造の越州に使用されている原料米。収穫時期が遅い晩生(おくて)品種で、その名前はその遅さに由来する。もともとはうるち米(食用)で広く新潟で栽培されていたが、収穫時期の遅さからコシヒカリに押され、いつしか姿を消していた。ところが越州開発にあたり、その存在を偶然知った蔵元が、農業試験場に保管されていた種もみから3年がかりで酒造りに必要な収量まで復活させた。米の粒が大きく、精米耐性に優れ、酒造りに非常に適した品質。 | |||
【そ】 | |||
【総破精麹】そうはぜこうじ | |||
【類義語】 | 【対義語】 | 突き破精麹 | |
蒸し米にふりかけられた麹菌が米全体に菌糸をめぐらせ、白くなった状態を言う。そのため、酵素の生成が進み、糖化力が高い。(意味、分かります?) 要は、この状態で仕込まれるとお酒の味は幅のあるタイプになるという事。新潟の蔵元では淡麗タイプの酒質が多いので、コレを嫌う場合が多い。 |
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【速醸系もと】そくじょうけいもと | |||
【類義語】 | もと | 【対義語】 | 生もと 山廃仕込み |
酒母と呼ばれる日本酒のもとを造る際は、酒造りに不要な雑菌の繁殖を防ぐ為、ある量の乳酸が含まれていなければならない。この乳酸を人の手で加えてやって造った「もと」を速醸系もとと呼ぶ。 優良な酵母を安全に培養しやすいので、大抵の日本酒はこの速醸系もとから造られている。 |
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