【か】 | |||
【楷】かい | |||
【類義語】 | 【対義語】 | ||
酒母タンクや醗酵タンクに入った酒の原料(もと・もろみ)をかき混ぜる時に使う、長ーい木の棒。この楷を使った作業(「楷入れ」)はとっても重労働で、実際に行った私の経験からすると、1分間で約1000カロリー位消費する、と私が言っている。(嘘ですよー) | |||
【開放式タンク】かいほうしきたんく | |||
【類義語】 | 【対義語】 | 密閉式タンク | |
まるで巨大遺跡の様に酒蔵にあるでっかいドラム缶。(笑)上の部分は切り取った様に開いている。お酒を仕込む時に使い、中には別工程で造られた酒母、蒸し米、麹、水を順次入れ醗酵させる。 | |||
【燗】かん | |||
【類義語】 | 燗上がり | 【対義語】 | 冷や |
平安時代には既に行われていた日本酒を温める事。燗はアルコール分が弱まり、かつ味が柔らかくなる。昔は技術力の低さで雑味成分の多い酒しか醸造できなかったので、雑味を弱め酒を美味しく飲むため生活の知恵だった。燗にはその温度により、30℃位の日向燗(ひなたかん)、35℃位の人肌燗(ひとはだかん)、40℃位のぬる燗、45℃位の上燗(じょうかん)、50℃位の熱燗(あつかん)、55℃位の飛切燗(とびきりかん)と6通りの呼び方がある。 今だに何でもかんでも火傷する位の熱い温度に燗してしまう料飲店が多く、燗酒=安酒を熱く温めるもの、という意識を消費者に植え付けてしまった責任は大きい。醸造技術が上がった今では高額な吟醸系のお酒でも燗で美味しいものも多い。「お酒はぬるめの燗がいい♪」な んて唄があったけど、言い得て妙だなあ…と思っちゃったりする。(笑) |
|||
【燗上がり】かんあがり | |||
【類義語】 | 【対義語】 | 冷や | |
00"> 冷や、または常温で飲んだ時より、燗した時の方が美味しくなるお酒を「燗上がりする」と言う。燗上がりするお酒は、味にどっしりとした重みのある山廃系のお酒に多い。逆にスッキリ系のお酒や香が強いお酒には燗に不向きなものが多い。 当店のお酒では、久保田碧寿(山廃純米大吟醸)などは燗上がりするお酒の代表格。(有名銘柄だから冷やじゃなきゃダメなんて事はないんですヨ) |
|||
【鑑評会】かんぴょうかい | |||
【類義語】 | 【対義語】 | ||
どのお酒が美味しいか、審査員がその評価を下す審査会。正式なものは、全国を地域別に分けた地域別新酒鑑評会と、そこで入賞した酒のみが参加する全国新酒鑑評会の2つ。他にごく狭い地域でのものや、新潟では各蔵の杜氏同士が審査するものなどもある。 審査は原酒タイプのアルコール度数20℃全後のものをブラインド(銘柄名が分からない様にする事)で行う。鑑評会の入賞は、毎年入賞傾向(最近は香りが高いもの)があり、美味いものというより、その傾向に沿ったものが選ばれるといった側面を持つ。そうは言っても、鑑評会の入賞は蔵人の士気を高めるので、各蔵本当に贅沢なものを出品する。私も審査員になりたい…。(笑) |
|||
【き】 | |||
【生もと】きもと | |||
【類義語】 | もと | 【対義語】 | 速醸系もと |
酒母中に乳酸菌を増殖させ、その乳酸菌の生産する乳酸によって雑菌の汚染を防ぎ、酵母を健全に増殖させる酒母をいう。 | |||
【切り返し】きりかえし | |||
【類義語】 | 製麹 | 【対義語】 | |
麹造りの全工程の3番目の作業。麹室(こうじむろ)と呼ばれる麹造りの作業室で行う。床もみ後、約10時間経つと米同士がくっついてしまう。この為、米の温度と水分を均一にし、麹菌に酸素を供給するために、くっついた米を崩してよく混ぜる事。 実体験した私としては、腰の骨が折れるかと思うくらい、麹造りの中で、最も重労働だった。ちなみに麹造りの全工程は、引き込み→床もみ→切り返し→盛り→仲仕事→仕舞仕事→出麹となる。 |
|||
【麒麟山酒造】きりんざんしゅぞう | |||
【類義語】 | ときかぜ | 【対義語】 | |
福島県との県境、豪雪地の津川の蔵元。新潟では昔から辛口酒の代表格と言われ、かつては新潟市内の酒屋では麒麟山がないと商売にならない、とまで言われていたそうだ…。この蔵最大の特徴は麹造り、今では機械造りが主流の麹造りだが、この蔵では大吟醸からなんと普通酒に到るまで全て手造りという徹底ぶり…、ホントその志の高さには頭が下がる。県内の酒屋の中にもこの蔵のファンが多いのも、この蔵の素晴らしさを表している。 純米吟醸の紫峰(しほう)や吟醸三年古酒の紅葉(もみじ)などは、知る人ぞ知る名酒。近年は新感覚のお酒「ときかぜ」を開発、県内限定発売で育てている。 |
|||
【麒麟山ときかぜ】きりんざんときかぜ | |||
【類義語】 | 麒麟山酒造 | 【対義語】 | |
平成10年に生まれた新潟県内の特約店限定販売の地酒。アルコール度が通常より1度低く、酒質はとっても軽いが酒好きな人にも満足してもらえる旨みを併せ持っている。このお酒の凄い所は、冷やでも燗でも異なる美味さを楽しめる温度対応の幅の広さと、アルコール度に関係する酔い覚めの良さ。おかげで、私はこのお酒では二日酔い知らず。そんなわけで、越州と並ぶ普段の私の晩酌酒。 春先に、無ろ過生原酒の純米吟醸雫酒・ときかぜHGを季節商品として販売している。コレ、もうとにかくメチャクチャ美味くて、みんなに飲んで頂きたいなあ。(笑) |
|||
【吟醸酒】ぎんじょうしゅ | |||
【類義語】 | 大吟醸酒 純米吟醸酒 純米大吟醸酒 | 【対義語】 | |
通常の酒よりも米を磨き低温でゆっくり仕込むので、豊かな香りで冷やで美味いものが多い。かつての地酒ブームの時は、「フルーティー」という有名な言葉で日本酒の美味しさを世に知らしめる役割を果たしてくれたと共に、日本酒=冷や、という固定観念を植え付けてしまった罪深い酒。(笑) ただし、香りが立ちすぎて飲む時に苦になるものもあり、量をたくさん飲む晩酌党にはちと辛い。価格も1.8Lで2400円〜4000円と幅広い。酒税法上では、精米歩合60%以下の白米、米麹、醸造アルコール、水を原料とした清酒で、香味及び色沢が良好なもの、とされる特定名称酒。蔵元では大吟醸酒と区別する為、中吟(ちゅうぎん)と呼ぶ事も多い。 |
|||
【銀の翼】ぎんのつばさ | |||
【類義語】 | 原酒造 | 【対義語】 | |
当店が昔からお世話になっている地元の蔵元・原酒造の柏崎地域限定販売酒。地域の香りがするお酒…をコンセプトに、手頃な価格で吟醸酒の雰囲気を楽しめるように考えて生まれた。香りが華やかで、キリットした辛口タイプ。 ちなみに銘の由来は、童謡「浜千鳥」の一節から。作者・鹿島鳴秋が柏崎に訪れた時にこの詩を書いたとされ、柏崎の海岸にはこの詩の石碑が建っている。酒質のタイプから燗には向かず、冷やが美味い。春先に純米大吟醸雫酒、秋にその熟成酒、年末に大吟醸と季節限定酒も発売している。 |
|||
【金箔酒】きんぱくしゅ | |||
【類義語】 | 【対義語】 | ||
豪華さを演出する為に、金箔を入れたお酒。お酒の造りは、本醸造だったり、純米酒だったり、大手メーカーには純米吟醸金箔酒なんてのもある。 金自体には味が全く無いので、お酒の味そのものを変化させる事はなく、見た目が派手になる、という利点しかない。人気蔵元は、こんなお酒は造っていない。(笑) |
|||
【く】 | |||
【久保田】くぼた | |||
【類義語】 | 呼友 越州 | 【対義語】 | |
朝日酒造が扱店限定で販売する全6種類ある淡麗辛口酒。三顧の礼で蔵元に迎えられた新潟県醸造試験場長だった嶋悌司氏(現同社顧問)が開発、1985年に発売される。銘の由来は、昔蔵元が久保田屋という屋号だった事による。 今ではすっかり人気銘柄になったが、その人気からしばしば正規販売店以外の店が裏ルートで集めた品を高額で並べてしまう。正式な久保田の価格は、百寿(本醸造1950円)・千寿(特別本醸造2350円)・紅寿(特別純米酒3200円)・碧寿(山廃仕込純米大吟醸4850円)・萬寿(純米大吟醸7800円)・翆寿(大吟醸生酒2700円)ですのでお間違いなく。(価格は1.8L税別、ただし翆寿は720mlのみ) |
|||
【け】 | |||
【原酒】げんしゅ | |||
【類義語】 | 生酒 | 【対義語】 | 火入れ 割水 |
もろみから搾ったお酒をろ過、火入れを行わず、そのままビン詰めしたもの。生酒との違いは、@ろ過をしない、A割水をしないの2点。通常、搾りたてのお酒はアルコール度が20度程あり、醗酵時に発生した炭酸ガスが酒成分に溶け込んでいるが、市販の原酒はこの炭酸ガスが抜けるのを待ってビン詰めする場合が多い。 ただし、季節商品として、あえて炭酸ガスが抜けない状態で出荷する事もある。 |
|||
【減肥栽培】げんぴさいばい | |||
【類義語】 | 呼友 越州 合鴨農法 | 【対義語】 | |
極力農薬と肥料を使わず酒米を栽培する方法。収穫量は減るが、米一粒当たりが大きくなり、含まれる窒素成分が少なくなるので、酒造りに最適な米が出来る。(窒素成分が多くなると酒に雑味が多くなるんですよ…) 当店では、銀の翼、郷越後(さとえちご)などがこの減肥栽培米を使用しているお酒だが、なんといってもこの方法にこだわっているのが朝日酒造。呼友を筆頭に、越州、洗心など、減肥栽培米を使用した珠玉の逸品を生み出している。 |
|||
【こ】 | |||
【麹】こうじ | |||
【類義語】 | 製麹 | 【対義語】 | |
蒸した米に麹菌を繁殖させたもの。麹米とも呼ぶ。昔から酒造りの世界では、一、麹、二、もと、三、造り、といわれるくらい重要なもので、麹の出来の吉悪しが酒の味を決定付けると言っても過言では無い。 作業は麹室(こうじむろ)と呼ばれる一室で、蒸した米の上に種麹と呼ばれる菌を静かにふりかける。ホラ、写真とかテレビで蔵人が小さな器に入った粉のようなものをふりかける作業見た事ありませんか?アレですよ、アレ。 |
|||
【麹蓋】こうじぶた | |||
【類義語】 | 製麹 | 【対義語】 | |
麹造りの際に使われる木の箱。見た目はざるソバを入れる容器(例のアレです)の少し大きいものと思って欲しい。(笑)◇ | |||
【麹室】こうじむろ | |||
【類義語】 | 製麹 | 【対義語】 | |
麹造りをする作業室。湿気調節の意味からも、壁は木(主に杉)の板で出来ている事が多い。酒蔵の心臓部とも言うべき所で、蔵見学は出来てもここだけは見学者に見せないという蔵元も珍しくない。 室の中は物凄く蒸し暑く、作業は上半身裸か薄い下着一枚でやる場合が多いので、昔から蔵人に女性がいなかったのも分かるような気がする。(笑) |
|||
【硬水】こうすい | |||
【類義語】 | 宮水 | 【対義語】 | 軟水 |
ミネラル分を多く含んだ水を硬水という。酒の成分の80%以上は水、だから水の成分値は酒の味に大きな影響を与える。一般的に硬水の水で仕込むと酒の味は辛口になる。兵庫県の灘の宮水が最も有名。 | |||
【甑】こしき | |||
【類義語】 | 【対義語】 | 連続蒸米器 | |
原料米を蒸し上げる時に使う、大きな木の桶で昔ながらの道具。原理はセイロと同じで、底にあいた小さな穴から蒸気が吹き込み、米を蒸す。尚、仕込み時期が終わる頃、この甑を片付ける行事を酒蔵で甑倒しという。 | |||
【越の誉】こしのほまれ | |||
【類義語】 | 銀の翼 | 【対義語】 | |
当店が位置する柏崎の蔵元。昔からしっかりとした重みのある味の酒造りを得意とし、淡麗路線とは一線を画してきた。田中角栄元総理の直々のご指名で、日中友好条約締結の際は、その晩餐会にこの蔵の純米大吟醸5年古酒「もろはく」が使われた。 現在は地元愛飲者の嗜好の変化もあり、それまでとは異なる淡麗酒「銀の翼」を開発、販売店限定にて育てている。 |
|||
【米だけの酒】こめだけのさけ | |||
【類義語】 | 【対義語】 | 純米酒 | |
某メーカーが「品質がいいですよー」と訴えるためにつけた純米酒もどき。精米歩合が規定の70%を満たしていないので純米酒とは名乗れないが、純米酒だと思って買っている人も多いまぎらわしい酒。この名前でホントに純米酒を販売している新潟の某蔵元が裁判を起こした事は、その筋では有名。 精米歩合が低いという事は原料米一粒あたりの使用比率が高いので、コストが安く多量に酒が作れる。だから、本物の純米酒に比べ価格がとっても安い。なんだかなー…。(笑) |
|||
【呼友】こゆう | |||
【類義語】 | 久保田 減肥栽培米 合鴨農法 | 【対義語】 | |
久保田の兄弟酒で、久保田を販売する朝日酒造が、その販売店の若手経営者を対象にした勉強会「久保田塾」を主催し、そこに参加・無事卒業した全国99店だけで販売する超限定の純米大吟醸酒。使用米は、蔵元のすぐ側の田んぼで農薬や肥料を極力使わない減肥栽培で育てられた酒造好適米「五百万石」、正直久保田の原料米より贅沢だが、皆さんに飲んで頂きたいという想いから価格は久保田萬寿に比べ若干抑え目。 尚、減肥栽培は雑草や害虫などの駆除が人の手だけでは大変なので、田に合鴨を放し、その合鴨たちに雑草や害虫の駆除(合鴨農法)をお願いしている。私が一番大好きなお酒で1.8Lは6400円、720mlは2850円。(税別) |
|||
![]() ![]() |